何はともあれ、信じる力が道をひらく
ある無名の若者が、
「自分は世界一のボクサーになる」と言い、
笑われながらも夢を信じ続けました。
彼の名はモハメド・アリ。
やがて本当に、世界最強の男となりました。
私たちが信念を持つとき、
そこに根拠はなくても構いません。
ただし、方向を誤ると、
その信念が人生を狂わせることもあるのです。
今回は「信念と自信」の正しい持ち方について、
わかりやすくお話ししていきます。
①:根拠がなくても信念には力がある
「自信とは、証拠ではなく決意である」
――カリフォルニア大学の心理学者アルバート・バンデューラ教授の言葉です。
同氏の研究では、
「自己効力感(自分ならできるという信念)」がある人ほど、
実際に成果を出しやすいと報告されています。
たとえ実力がまだ追いついていなくても、
「私はやれる」と信じることで、
人は行動し続けることができるのです。
根拠があってから自信を持つのではなく、
根拠がないからこそ自信を持つ。
この順番こそが、夢を現実に変える原動力になります。
ただし、それは「本気の努力」と
「自分への誠実さ」を前提にしたものです。
②:独りよがりな自信が破滅を呼ぶ理由
自信は強い武器ですが、
正しく使わなければ凶器にもなります。
スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授は、
「成長マインドセット」の重要性を説いています。
彼女は「他人の声に耳をふさぐ人」は、
成長が止まりやすいと指摘しています。
自信がある人の中には、
「自分は間違っていない」と思い込み、
人の助言を拒む人もいます。
このような独りよがりな姿勢は、
周囲との信頼を失い、
孤立し、やがてチャンスすら遠ざかってしまいます。
つまり、自信があるかどうかではなく、
柔軟さがあるかどうかが鍵なのです。
③:信念と謙虚さを両立するには
本物の自信とは、
「自分を信じながらも、人の意見に耳を傾ける力」です。
イェール大学の心理学者、アンジェラ・ダックワース博士の研究では、
成功する人に共通しているのは、
「グリット(やり抜く力)」と「フィードバックを受け入れる力」であるとされています。
自分の信じる道を歩むことは素晴らしいことです。
でも、ときには立ち止まって、
「今の自分は周りにどう見えているか」も確認しましょう。
他人の目をすべて気にする必要はありません。
ただ、謙虚さは自信の質を高める魔法のスパイスなのです。
私たちは、
「信じる力」と「聴く力」の両方を持つことで、
人生をより良いものにできるのです。
エンディングメッセージ
私たちは、
「根拠のない自信」を持っていいのです。
それが夢への最初の一歩だからです。
でも、同時に「自分だけが正しい」と
思い込まないように気をつけましょう。
自信とは、
他人と比べて上か下かではなく、
昨日の自分より一歩進むためのものです。
自分を信じて、
そして人の声にもそっと耳を傾けてみましょう。